おぶくさん、聞いたことありますか?初めて聞く人は「誰それ?」という感じでしょうが、「おぶくさん」は「御仏供」と書きます。つまり、仏壇のお供え物の事ですね。
「おぶくさん」はどこまで浸透した言葉なのでしょう。あなたは聞いたことありますか?
おぶくさんとは一体何?宗派による呼び名なの?
仏壇のお供え物を「おぶくさん」と呼ぶのは、浄土真宗。浄土真宗のなかでも地域性があるようですね。「おぶくさん」以外にも、関西では「おっぱん」と呼ぶそうですし、皆さんのお住まいの地域ではまた別の呼び名で呼んでいるかもしれませんね。
浄土真宗といえば西本願寺・東本願寺ですが、西本願寺は浄土真宗本願寺派総本山、東本願寺は浄土真宗大谷派総本山となっています。ちなみに西本願寺は豊臣秀吉が、東本願寺は徳川家康が建てています。
このことから見えるように、お家騒動の末、西と東に分かれたわけですね。
おぶくさんにも違いがあり、西本願寺のおぶくさんはおまんじゅうのようなこんもりとしたおぶくさんを供えていて、東本願寺では半円錐形の形のおぶくさんを供えているそうです。
それぞれのお寺によって名称は異なるでしょうが、檀家は年に数回お布施のようなものを納めているはずです。これはいわゆるおぶくさん代。本堂にお供えする供物代ですね。
まさか滞納する檀家の方は居ないでしょうが、感謝の気持ちを込めてお寺にきちんとお納めしましょう。
おぶくさんに込めた思いとは?
日本全国呼び名は違っても、仏壇をお持ちのご家庭ならお供え物にご飯をつけますよね。毎朝欠かさずお供えする家庭、ご飯を炊いた朝だけお供えする家庭、それぞれでしょう。
ひと昔前までは、自分たちが前日の残りご飯を食べても、仏壇にお供えするご飯だけは別に毎朝炊いていました。今これをやったらかなりの手間と労力が必要ですが、仏様に対する思いからでしょうね。
毎朝新しいおぶつさんを供えるから信心深い、そうでない人は不義理・・・とは言えませんよね。生活スタイルが変化し、食の変化もあります。仏壇の前で手を合わせるだけでも立派な供養と言えるのではないでしょうか。
新時代?!おぶくさんの食品サンプル
みなさんご存じの「食品サンプル」ですが、なんと仏壇のおぶくさん用に、白米の食品サンプルがあるのです。これもまた、時代の流れなのでしょうか。
仏壇に本当は常に生花を供えておきたいけれど、無理だから生花が無い時は造花を利用している・・・これと同じ考え方ですよね。
「何も供えられていないよりはいい」という考え方を受け入れるか受け入れないかの違いですが、あなたはどう思いますか?
形だけのおぶくさん、と考えるか、せめて形だけでもと考えるか。要は気持ちなので、どちらも正解なのかもしれませんよね。
仏壇に供える「おぶくさん」って?作法とかあるの?? まとめ
おぶくさんは、日常みなさんの暮らしに密接に関わっているものでしたね。先祖を敬う気持ちが、地方によっていろいろな言葉となって伝えられているようです。
宗派が違っても、仏壇にお供え物をあげるのは同じですよね。いつも見守ってくれている仏様に季節のおぶくさんをお供えして、遠い過去に思いを巡らせてみませんか?
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