古くから日本ではおなじみの淡水魚として親しまれているメダカ。
近年では環境の変化から数も減ってきたメダカですが、実は性転換することができる、というのをご存じだったでしょうか。
いったい、メダカはどういった環境で性転換するのでしょう。
観賞魚としても人気の高いメダカ
日本各地には様々な魚が生息していますが、古くから人々に親しまれている魚といえばメダカでしょう。小さな体にくりんとした目を持った姿が可愛いですよね。古くは江戸時代のころから、人々の間で観賞魚として親しまれてきました。
メダカは流れの緩い小川や水路に生息しているのですが、近年では環境の変化により水質の悪化などが原因でその数は減ってきてしまいました。農薬の使用や生活排水の影響などもあり、ついには絶滅危惧種として指定されてしまったのです。
そんな日本人にとっては馴染みの深いメダカですが、実は性転換する魚ということをご存氏でしょうか？ メダカはいったい、どのような環境で性転換するのでしょうか？
メダカが性転換する条件とは
性転換といわれてもピンとこないかもしないかもしれませんね。しかし、実は性転換する生物というのはなにも珍しい存在ではないのです。魚類で有名なのは映画のモデルなどにもなった「クマノミ」で群れや環境によって性転換することが明らかになっているのです！
メダカが性転換するタイミングですが、まずはまだ大人になっていない稚魚の段階。この際の「水温調整」がオスとメスを決定づける要因になるようです。稚魚の際、水温が極端に高い、もしくは低い場合だと性決定遺伝子である「DMY遺伝子」に環境が作用し、オスかメスかを操作できてしまうということのようです。
このため、養殖する際などにはこの性質を利用し、オス、メスの産み分けを行うことができるのです。徹底した水温管理を行うことで、幼少期のメダカの性別を任意のものに変えてしまうことができるというわけです。
大人になってもメダカは性転換する
稚魚の際に性転換したメダカが大人に成長した場合、再び性転換することはできないのでしょうか？ 実は、大人になったとしてもメダカはまだ性転換する可能性を秘めていたのです。
稚魚の際は水温がきっかけになりましたが、大人になってからは周囲の群れの環境が重要になってきます。例えば、群れに一方の性別のメダカしかいない場合、繁殖を考えて別の性別に変化することがあるんだとか。オスだけの群れの中で、産卵のためにメスへと変化してしまうということですね。
人間では決してあり得ない現象ですが、これも種を残すための本能ということでしょうね。そういった能力がメダカの中に備わっているというのは、なんだか神秘的に感じてしまいます。
メダカの性転換 大人になってもメダカは性転換するって本当なのか？ まとめ
サンゴ礁に生息する熱帯魚達のように、日本に生息するメダカにも性転換の可能性があるというのは、ちょっと驚きですよね。
稚魚、大人どちらも環境や群れの状態などによって性転換することができるようです。
メダカは年々その個体数が減っているのですが、限られた環境下でもこうした本能によって繁殖し、種を保存させ続けているのかもしれません。
生物の本能にはまだまだ未知の部分が多いようですが、こうしたメカニズムにはいつも驚かされてしまいます。
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